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コミュニケーションの耳袋

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2010年01月12日(火)

映画「マラドーナ」のかろやかさ

2010年、最初の映画です。
エミール・クストリッツア監督の「マラドーナ」
あの神の子マラドーナのドキュメンタリー。
ほんとに、何とかろやかなことか、マラドーナ。

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旧ユーゴスラビアの天才監督、
エミール・クストリッツアの最新作です。
2005年から追い続けた、マラドーナのドキュメンタリー。

クストリッツアは、10本撮った長編映画のうち
「パパは出張中」「アンダーグラウンド」の2本が
カンヌグランプリという監督です。

55歳ですが、
自ら率いる、ノースモーキングオーケストラという
ジプシー音楽をベースにしたロックバンドのギタリストをやっている。
日本に一度来たことがありますが
めちゃくちゃ楽しいライブでした。

また、
8本目に撮った映画「ライフイズミラクル」のあと
そのロケ地である、セルビアの山村を気に入り
そこに、Kustendorfという村を建設。
映画学校やレストランまでつくってしまい
撮影のない間は、そこで暮らすという
とにかく型破りなオッサンです。

その変なオッサンが、なぜマラドーナを追ったのか?
とてもつながるものがないと思っていましたが、
映画を見てちょっとわかりました。

ふたりとも、思っていることを
なにも加工せずに、だれに対しても言う人物だったのです。

私自身もそうですが、
なかなか何でも誰に対しても言えるものではありません。
何かを恐れて、何かを意図して、人に好かれようとして、
言いたいことの半分しか言わない、
遠まわしに言う、
客観的に言う、
などをしてしまいます。

彼らは天才で有名だから言える、という意見もあるでしょうが、
かえって、有名人ほど、ネガティブを恐れて言えないもの。

実際、
クストリッツアも政治的批判を受けて
監督引退を表明したこともありました。
マラドーナにいたっては
ご存じの通り、コカイン中毒や暴言で
マスコミに叩かれまくりの人生でした。

ところが、
この映画でのインタビューを聴いていると
実に知性的なことがわかります。
反米を表明しているのも
アルゼンチンや世界のことをちゃんと理解しているからこそ。
まったく、イメージと違うことが驚きでした。

それだけ、情報はあふれているけれど
一方的な視点からの情報で支配されていて
その意見に知らず知らずのうちに、
イメージをつくってしまっているということが
どれほど怖いことか思い知らされました。

それにしても、
マラドーナのプレーは、神がかりなほどかろやか。
映画に何回も出てくる
1986年W杯のイングランド戦の5人抜きの「世紀のゴール」はすごい。
それとおなじみの、「神の手ゴール」

いろいろなネガティブなことがあったマラドーナだけれど
いまだに、南米では「神」。
これが、日本と違うラテンな文化。

クストリッツアの編集は相変わらず小気味よく
ドキュメンタリーを思わせないテンポで
見ている人を引き付けます。

ぜひ、これを見て
自分の情報からの影響について
考えてみてください。

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