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コミュニケーションの耳袋

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2009年12月03日(木)

黒沢明と音楽

黒沢映画の音楽を担当した作曲家で
ただひとりの生き残り人物である池辺晋一郎さん。
池辺さんの司会で、
「映画と音楽、黒沢明の世界」という講演がありました。

来年は、黒沢明生誕百年。
いろいろなイベントがあるでしょうが
それに先駆けての講演でした。

黒沢映画を担当している作曲家は
早坂文雄、佐藤勝、服部正、武満徹などそうそうたるメンバーですが
最後の作家が池辺晋一郎さん。
「影武者」「夢」などを担当しました。

講演の前半にはゲストで、
黒沢久雄さん、黒沢和子さんのふたりの子どもが登場。
いろんな黒沢明の話をしていましたが、
最も印象に残ったのは、
気に入った音楽があると、
ずーっと、その音楽ばかりを聞いていたそうです。
クラッシックでもポップスでも。
しかも、夜中だろうと構わず超大音量で。
どれくらいかというと、
久雄さんが、自分の部屋に閉じこもっていても
何もできないくらいの音量。
さぞ、近所迷惑だったでしょう。

黒沢明のすごいところは
ポップスなら2~3分の音楽を
2時間くらい繰り返して聞いていたそうです。
つまり、50~60回くらい同じ音楽を続けてです。

すさまじい集中力。
とてもまねできませんね。
こうやって音楽から映像のイメージへつなげていたのでしょうか。

作家に渡すときは
そうやって気にいた音楽を
ラッシュフィルムの段階でつけて渡したそうです。
「ま、参考だから」と言って。

渡されたほうはたまりませんね。
なにしろ、時間をかけて研ぎ澄まされた音楽が
参考音楽なのですから。
相当のプレッシャーです。

しかし、それが黒沢映画の空気を作っていたのです。
CMの仕事でも、よくありますが
参考音楽を超えるのは大変で
いつも、これはあくまでイメージですからと言って
言い訳をするのですが、
クライアントにとっては
そのイメージがついてしまう。
だからこそ、真剣勝負になるのです。

言葉だけで言ってしまうと
概念的になって、よく伝わりません。
やはり、世界観はリアルな音楽のものなんでしょう。

それで、
この講演会には
シンプルなオーケストラが来ていて
映画の参考になった音楽や
実際の映画音楽を演奏したりしました。

音楽を聴いただけで
七人の侍や、影武者の映像が浮かんでしまいのです。
やっぱり、すごいな、と
改めて黒沢明の世界の作り方に驚かされました。

ほんと、音楽と映像は切り離せません。
音楽は映像を生み出す、と言ってもいいかもしれません。
何かアイディアを生み出すとき、
みなさんは、好きな音楽を聞いていますか?

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