大正ロマンといえば、竹久夢二ですが、
小林かいち、というヒタヒタする画家がいました。
しかも、彼の作品は、
絵葉書、封筒。
こんな絵葉書にはどんなことを書くのでしょうか。

いまでいえば、画家というよりデザイナー。
その作品のモチーフは、哀しみ。
小さな封筒の図案ですが、こんなムードの封筒で
手紙を出すのは、いったい誰なのでしょう?


哀しくうつむいた女性像、
トランプ、ハート、月や星。
そのほとんどが、夜、ダーク、ロンリー。
いわゆる明るさとは無縁なデザインです。
失恋の手紙を出すわけでもないでしょうが、
こんなデザインの封筒や絵葉書が存在するあたりが
「大正」という時代の文化の深さ。
恐れ入りました。
もちろん、深窓の令嬢やらが
想いをのせて書き綴るのでしょうが、
その姿が目に浮かぶようです。
秘めたる言葉?
切ない言葉?
さりげない言葉?
いいですね、こんな奥深い世界。
でも、大正という時代はそういう時代だったのでしょう。
着物を着て、中割れ帽をかぶった日本人。
たった15年でしたが、
そこに詰まった、日本の洒落た文化はうらやましい。
小林かいちの絵葉書や封筒を見て
ものすごくそれを感じました。
日本人は暗いけど奥深い。
世界に稀なる人たちです。
ちょっと、誇りです。

