なんだか、からだをもてあましています。
何でしょう、この感覚。
役者になったら違うのかしらん。
ということで、今日は「盆山」の話。
世田谷パブリックシアターの橋掛かりは三本。
通常の能楽堂は向かって左側に一本あるだけで様相は
ずいぶん異なります。
舞台スペースの関係で、萬斎さんが考えたのですが、
これが素晴らしい効果を生んでいます。
屋根も柱のない、立体的な空間。これを闇という空気で作っている。
なので、盆山や子盗人のような、盗人ものを演じるにはうってつけ。
闇の中から、萬斎さんが登場するだけで、
しんとした空気が生まれる。
この橋掛かりからの登場が狂言の醍醐味。
摺り足で静かに現れ、その立ち方、動き方が
静かな空気を動かし始める。これが観客をつかむ。
そこで、
「このあたりのものでござる」と始まる。
萬斎さんは、型にはまっているけれど、
よけいな力がはいっていないので美しい。
語り口は、ゆったり。
ひとつひとつの言葉を、それこそはっきり言う。
「このじゅう・せ・け・ん・に、ぼんさんの はやるは おび・ただしいことで
ござる」
日本語の仮名の、美しさが再確認できる。
といって、ぶつ切りになっているわけでももなく、
感情がこもっていてわかりやすい。
うーむ、惚れてしまう。
と、書いてきたところで、
この狂言の型、唐人相撲にも、もちろん生かされている。
ただただ、愉快なだけでなく、狂言の型の中で群集劇をやる。
むずかしいけれど、狂言の可能性を広げる演目なのでしょう。
今日は、心して狂言やってきます。

