インド、マケドニア、ルーマニア、スペインの
ジプシーアーティストによる、6週間のアメリカツアー・ドキュメンタリー。
それが、音楽世界遺産の旅「ジプシーキャラバン」という映画だ。
それは、ただの珍しい音楽の旅ではない。

もともと、この中に登場する、「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」という
ルーマニア・クレジャニ村のバンドが大のお気に入りだ。
バイオリンを中心に、ツィンバロン、アコーディオン、ダブルベース、そして
唄。おじいさんまでがうれしそうに演奏するこのバンドは
聞いているだけで、こっちまで幸せにしてくれる。
この映画は、ロマと呼ばれる、インドの起源を発する放浪の民の
血筋を引く人たちの音楽家を素直な映像視点で捉えている。
紀元千年頃に、インドから放浪の旅に出たロマの人たちは、
いろんな迫害にあいながら、スペインにまでたどりついた。
あまり知られてはいないが、ユダヤ人と同じように
ロマ50万人もの人が、ナチによって虐殺された。
そういう生い立ちから、いつしか「ジプシー」と呼ばれるようになったのだ。
しかし、ロマには音楽があった。
それは、勇気付け、また、生活の糧にもなった。
そういう人たちが集まっての、アメリカツアー。
彼らの音楽スタイルは少しずつ違っていた。
しかし、ロマとしての魂の起源があっという間に彼らを家族にした。
バスの中、往来、パブ、小さなホテル、バックステージ、
どこでも、歌い演奏しタバコをふかした。
それは、いま、どこにも見られないほどの家族。
テクニックを使わない編集が彼らの魂をそのまま、フィルムに焼き付けた。
フィルムの最後に、タラフのシンボルである、ニコラエじいさんがなくなり
その葬式の映像が流れた。
世界最高のバイオリン弾き、カリウさんは窓辺で一晩中弾いていた。
その表情は、向こうの世界へ連れて行く、ナビゲーターのように見えた。
すごく哀しくて、涙が止まらなかった。
この映画は、音楽ではなく、
人の、家族の、生き方を示している。
そうとしか思えなかった。
やすらかに、ニコラエ。


はじめまして。
『きっと勝つマーケティング』を読んで以来、関橋さんのファンでいます平松と申します。
こちらの記事で誤字と思われるところがありましたのでご連絡します。
期限千年頃
↓
紀元千年頃(?)
投稿者: 平松 寛康 | 2008年02月17日 10:59